法律情報出版

刊行図書のご案内

『(改訂版)入門 労働事件[解雇・残業代・団交・労災]』

(改訂版)入門 労働事件[解雇・残業代・団交・労災]=新人弁護士 司君ジョブトレ中=の表紙

『(改訂版)入門 労働事件[解雇・残業代・団交・労災]=新人弁護士 司君ジョブトレ中=』発刊にあたって本書の初版以来、7年を経過致しましたが、この間、雇用環境をとりまく情勢は激変し、労働事件の全民事事件に占める比重は益々重くなってきており、従前と異なり、多くの弁護士が積極的に労働事件にチャレンジするようになっています。

また、編集を担当した東京弁護士会労働法制特別委員会は、現在、中堅・ベテランも含め130名を超える労使双方の弁護士が参加し、本委員会開催の際に毎回行われる外部講師を招いての研究会等で「同一労働同一賃金」などに関する研究を重ねてきたほか、近時提起されている様々な問題に対応すべく、「判例研究部会」「法教育部会」「公務員労働法制研究部会」「企業集団/再編と労働法部会」において活発な活動を行っています。

このような中、本書初版を執筆した「若手部会」メンバーも前記各部会等の中心的役割を担うようになっており、この「改訂版」では、近時の法改正に対応したのはもちろんのこと、各執筆者の労働問題に関する研鑽や経験の成果が各所にちりばめられたものとなっています。

本書の構成

「第1部 個別的労働関係紛争」では、代表的な事件類型である「解雇」と「割増賃金請求[残業代]」を取り上げ、「解雇」では労働局のあっせんと労働審判について必要な知識が、「割増賃金請求[残業代]」では手続の選択や訴訟で問題となる必要な知識が、幅広く、それでいてポイントをついて簡潔に分かりやすくまとめられています。「第2部 集団的労働関係紛争」、「第3部 労働災害」においても、労働事件で直面する典型的な問題について、実践的な知識が記載されています。

また、本書は「新人弁護士 司君」の日々の活動を通じた<ストーリー仕立て>として読みやすい体裁となっていますが、その実は、本委員会において研鑽を積みながら労働事件を担当している弁護士が議論を重ね、事件を担当するにおいて必要なことを記載したきわめて実践的な労働事件の入門書となっています。

『ケーススタディ 労働審判(第3版)』

『ケーススタディ 労働審判(第3版)』の表紙

『ケーススタディ 労働審判(第3版)』発刊にあたって

労働審判制度は、平成18年4月1日の労働審判法施行以来、最も成功した司法制度改革として高い評価を得て活発に利用されており、事案の性質による労働審判利用の可否の検討及びその具体的運用に精通することは、労働事件を扱う弁護士や関係者の皆様にとって必須となっています。

また、本書編集を担当した東京弁護士会労働法制特別委員会には、労働者側・使用者側・労使双方を担当する130名を超える弁護士が参加して、この労働審判制度を含め活発な議論を重ねており、この(第3版)では、最近の運用状況による加筆訂正のほか、(改訂版)からこれまでの研究の成果を漏らすことなく取り入れ、改訂を加えました。

本書の構成

「「第1部 早わかり労働審判」では、労働審判制度を利用するにあたっての事案ごとの必要な情報とノウハウをまとめ、「第2部 事件の相談・受任から解決まで」では、「普通解雇」(労働者側申立て)、「社内組織の再編と降格・配転」(労働者側申立て)、「債務不存在確認(退職理由と退職金の不支給)」(使用者側申立て)、「割増賃金の請求」(労働者側申立て)の4つのケースについて、弁護士への相談~双方代理人による申立書・答弁書等書証の作成・提出~原則3回にわたる審判廷での審尋(審判官・員、代理人、当事者のやりとりの詳細)~事件の解決までを時系列でまとめ、「第3部 主要紛争類型のポイント」では、「懲戒解雇の無効」(労働者側申立て)、「整理解雇(変更解約告知)の無効」(労働者側申立て)、「雇止めの無効」(労働者側申立て)、「退職金債務不存在確認(競業避止義務違反)」(使用者側申立て)、「パワハラ損害賠償請求」(労働者側申立て)の5つのケースについて、相談から解決までのエッセンスを解説しています。

追補2・アップ済

『特定技能Q&A-新たな外国人材の受入れ制度-』を発刊

『特定技能Q&A-新たな外国人材の受入れ制度-』発刊にあたって(「はしがき」より抜粋)

「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律」の施行に伴って特定技能外国人の受入れ制度の運用が開始されて、令和2年4月で1年が経過しました。

この特定技能外国人受入れ制度は、中小・小規模事業者をはじめとした深刻化する人手不足に対応するため、生産性の向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある介護、建設、飲食料品製造業や農業など14の特定産業分野において、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていくというものであり、専門的・技術的分野には属さない外国人労働者であっても、その受入れが可能となりました。

とはいえ、本制度による特定技能1号での在留外国人数は、令和元年12月末現在で1,621人と当初予想された人数を大きく下回っている状況にあり、その理由としては、特定技能外国人の転職が可能であるとされているために受入れ機関が雇用することに慎重になっていること、同制度への理解が深まっていないことや申請書類が多数に及ぶなどの手続の煩雑さも一因となっているものと思われます。

実際に、入管手続の申請取次者として「特定技能」の在留資格取得手続業務に携わった経験では、申請書をはじめとする書類作成の段階で「どのように記述すべきか」迷うことがあり、また、必要な書類の入手と準備に時間がかかるなど、実務面での負担を感じることが多々ありました。そのため、特定技能外国人の受入れ機関ないしは特定技能の在留資格を取得したいとする外国人が手続をしようとする場合には、専門的な知識と経験を有する行政書士等によるアドバイスや手助けが必須であろうことを痛感したところです。

 

私どもは、特定技能外国人の受入れ制度の創設に伴い、昨年7月に『改正入管法のポイントー外国人材の受入れと在留資格「特定技能」ー』を上梓しましたが、同書は、特定技能外国人の受入れ制度への理解を深めていただくとともに、同制度を適正、かつ、円滑に運用していく上での参考としていただくことを目的としたものであり、特定技能外国人の受入れに携わる実務担当者はもちろんのこと、行政書士等の専門家をはじめとする各方面においてもご活用いただくことを目指したものでした。

しかしながら、特定技能外国人の受入れ制度を取り巻く環境の変化が顕著となっていること、また、本制度への理解がいまだ十分とは言えない状況にあると思われることから、今般『特定技能Q&A-新たな外国人材の受入れ制度-』を出版することとしたものであり、本書が、特定技能外国人の受入れに携わる方々の一助となり、また、関係各方面で広くご活用いただけるよう願ってやみません。

本書の構成

本書は、実務において必要とされる知識や手続について、特定技能外国人の受入れに携わる方々がよりわかりやすく、しかも知りたい内容をピンポイントで検索できるよう「Q&A方式」で解説し、また、14の特定産業分野それぞれで定められている基準や必要書類等については、分野ごとチェックリストにまとめて掲載するなどして検索の便を図っています。さらに、「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領」については、改正の都度URLに「追補(改正後データ)」をアップして関係する方々の利用の便を図りました。

※追補データのダウンロードにはIDとパスワードが必要です。
こちらの【申請フォーム】からID、パスワードの発行のお申し込みをお願いいたします。

『改正 入管法のポイント-外国人材の受入れと在留資格「特定技能」-』を発刊

『改正 入管法のポイント-外国人材の受入れと在留資格「特定技能」-』の発刊にあたって(「はしがき」より抜粋)

我が国での外国人労働者受入れについては、これまで、「専門的・技術的分野の外国人労働者」は積極的に受け入れるが、いわゆる単純労働者をはじめとした外国人労働者の受入れについては、十分慎重に対応するとの方針が長年にわたって堅持されてきました。

しかしながら、この度、出入国管理及び難民認定法(「入管法」)が改正され、「特定技能」の在留資格が創設されたことにより、専門的・技術的分野には属さない外国人労働者の受入れが可能となりました。具体的には、外国人材を幅広く受け入れていくこととされ、国内での人材確保が困難な状況にある特定の産業分野(14の産業分野)に属する企業等において、特段の育成・訓練を受けることなく直ちに一定程度の業務を遂行できる水準の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人材の受入れが可能となり、外国人労働者受入れに関する政策の方針転換が図られました。

入管法改正の動きが公表されてから改正法が成立するまでの間は、外国人材の受入れの賛否を問う意見が出され、あるいは外国人との共生の在り方や様々な問題点の指摘等がなされるなど、多様な議論が交わされ、世論の盛り上がりが見られました。また、改正法が成立した後においては、外国人材受入れに関する具体的施策を知りたいとする声が多く聞かれ、社会の関心が改正法施行後の実務的な面に移ってきました。特に、人材の確保に苦慮している企業等からは、可能であれば新しい制度を活用して外国人労働者を受け入れたいとの意向が示され、そのために制度運用に関する情報を得たいとする声が多く聞かれるようになりました。これは、外国人材の受入れ等の業務に携わっている弁護士や行政書士等、専門家の方々の間においても同様であり、制度の仕組み等に関する詳細な情報を得たい、更には手続に関する具体的な方法等を知りたいといった声が聞かれるところです。

出入国在留管理行政は、専門性が高く、特殊性の強い分野であり、外国人の入国・在留手続関係業務に携わる者には、専門的な知識と経験が求められるといった見方が一般的です。特定技能外国人の受入れ制度が創設されたことについても、外国人労働者の受入れが緩和されることについては理解できても、専門的過ぎてよくわからないといった声を聞くことがあります。

他方、外国人の入国・在留に係る手続は、本人申請が原則とされていますが、多くの関係法令で構成され、また、専門用語も多い入国・在留に係る規定等を外国人自身が理解することはとても難解であり、実務を行う企業等の担当者や弁護士、行政書士等の専門家による支援が必要となります。

以上のような状況を踏まえ、本書が、円滑な外国人材受入れと、実務者をはじめ関係各方面で、特定技能外国人の受入れ制度に関して正しい理解を得るための一助になることを願います。

本書の構成

本書は、実務者を対象として編集したもので、「Ⅰ部 改正 入管法(平成30年法律第102号)のポイント」と「Ⅱ部 外国人材の受入れ・共生のための総合的対策」の2部構成に加え、閣議決定の資料等を「参考資料」として盛り込んでいます。

Ⅰ部では、改正入管法についての項目ごとのポイントと解説、実務上の留意点を明記しつつ、より理解を深めていただくために図解を加える等の工夫を凝らしています。Ⅱ部においても、これまでに公表されている情報をもとに解説し、更には「総合的対応策の充実について」の概要にも触れています。

『【改訂新版】日本国憲法へのとびら-いま、主権者に求められること-』

本書の特徴

本書は、大学での講義テキストとしてまとめられたものです。

「はじめに~憲法を学ぶことの意味~」によれば、本書の狙いを著者は次のように語っています。

「主権者であること」と「主権者になること」は、同じようですが、まったく違います。日本国の主権者であることとは、日本国籍をもつ者ならば、赤ちゃんでも、子どもでも当てはまります。しかし、主権者になることとは、18歳以上の者となり、有権者となって選挙で投票権をもつということなのです。

そんな大切な、選挙権をもつ主権者となるあなたへ、日本国憲法からメッセージを贈りたいのです。主権者として是非知っておいてほしい憲法のこと、人権のこと、平和のこと、政治の仕組みのこと、まだまだたくさんあります。それらが各章からやさしく、ときに"鋭く"届けられます。どうぞ、そのそれぞれのメッセージを受けとめていただき、日本国憲法の理解の上に立った、真の「主権者」となっていただきたいと願っています。

今回、【改訂新版】としてリニューアルする当たり、より読みやすくするため各章に「小見出し」をつけました。 

また、従前までは「補章 原発事故・放射能問題と憲法の精神」としていたものを、新たに「第5章 日本国憲法の精神と環境権」として本書の憲法(人権保障)体系論に組み込み、さらに他章についても必要最小限の加筆・修正行いました。

とはいえ、小林直樹先生の『憲法を読む』と同じ思いから出発するところからは変わることなく、ここでまた改めて私たちの『【改訂新版】日本国憲法へのとびら-いま、主権者に求められること-』の「とびら」を開いていくことにいたします。

成人を迎える大学生や広く一般読者に向けて、「日本国憲法からのメッセージ」をやさしく・分かりやすく解説しました。

第1章 憲法とは何か/第2章 日本国憲法はこうして生まれた/第3章 日本国憲法の基本原理/第4章 基本的人権の種類と内容/第5章 日本国憲法の精神と環境権/第6章 日本国憲法がめざす平和主義/第7章 国民主権とは/第8章 国家権力の分立/第9章 国会のしくみとはたらき/第10章 内閣のしくみとはたらき/第11章 裁判所のしくみとはたらき/第12章 財政と租税(税金)/第13章 地方自治とは/第14章 憲法保障と憲法改正/第15章 「平等・発展・平和」と日本国憲法

『ここがポイント 事業者の内部通報トラブル』を発刊

『失敗例に学ぶ「内部告発」』の続編として

本書は、平成23年12月に出版した『失敗例に学ぶ「内部告発」』の続編です。

平成18年4月に「企業内部への通報」と「社外への通報」を包括した「公益通報者保護法」が施行され、多くの企業が、社内に内部通報制度を設けました。しかし、公益通報の概念やその意義が十分に浸透するまでにはいたらず、これを個人の権利救済制度と誤解したり、この制度は密告社会につながるとの否定的な評価もありました。

そこで、『失敗例に学ぶ「内部告発」』を出版し、通報者と通報処理担当者双方の視点から、法律の説明、問題点の分析、関連裁判例の解説に紙面を費やし、法改正の課題を論じました。

『ここがポイント 事業者の内部通報トラブル』の構成

企業が設ける内部通報制度は、企業コンプライアンスを維持、向上させる手段であり、その目的は、不正の事前抑制、もしくは、不正の芽を摘むということ、すなわち、「不正の初期消火」ということにあります。

本書では、「初期消火としての内部通報制度」を機能させるための要素やその限界といった点を、直近の裁判例の分析とともに、社内通報を処理する担当者や弁護士の視点から検討したものです。また、近時の外国の立法例をみながら、消費者庁において具体的な検討を進めている公益通報者保護法の改正の要点について議論を深め、内部告発としての基本的な性格を異にする内部通報と外部通報の関係を考えたものです。

第1章で内部通報制度の機能や限界を探り、第2章では有効に機能する内部通報制度とはどのようなものかを検討し、第3章は通報処理担当者の心構えやスキルを分かりやすく述べ、第4・5章では通報事実の調査の手法を、社内委員会や第三者委員会のあり方の問題を含めて具体的に論じ、内部通報を担当する方々に主に弁護士の役割から見た通報処理のノウハウを具体的に提供することを目指しています。

次いで、第6章ではアメリカのSOX法や、報奨金制度を導入したドッド=フランク法における内部告発の現況を解説し、第7章では韓国(2011 年に報奨金制度や罰則等を取り入れた通報促進の色彩の濃い「公益申告者保護法」が施行され、2016 年には運用状況をふまえた一部改正も行われている)における内部通報制度の現状を説明し、第8章ではヨーロッパの通報事情を概観することによって、比較法的な観点から、わが国の通報制度の現状を眺めています。

さらに、第9章では、内部通報、外部通報が争点となった近時の労働紛争裁判12件を、通報処理のあり方という視点を中心に解説しています。この12の裁判例解説は、裁判所が認定した事実に基づいて、正当な通報と不当な通報のメルクマール(公益通報者保護法は、通報を理由とする使用者の不利益処分を禁止していますが、これを悪用したような通報もないわけではありません)、通報事実の調査のあり方、外部通報への対応方法等、内部通報を処理するに当たって有益な情報を提供しており、弁護士にとって必読のものと思われます。

第10章では、第1~9章の内容をふまえ、公益通報者保護法の改正の視点を論じました。

「非正規公務員」について主要裁判例をもとに分かりやすく解説。

『裁判例に見る「非正規公務員」の現状と課題~雇止め・処遇の問題を中心に~』

本書の特徴

いま、任期雇用や非常勤の公務員は、突然の雇止めや労働条件の切り下げといった問題に直面し、多くの紛争が発生しています。

公務員は国家公務員法や地方公務員法の適用を受け、労働契約法等の適用は除外されていますが、本来、例外的であるはずの臨時職や非常勤公務員が、国や地方自治体の予算削減や公営事務民間化等の影響をうけ、十分な法の手当てがないまま激増し(全公務員数の3分の1を超えると言われる)、正規公務員とは異なる労働条件や身分保障のもとで呻吟する事態が頻発しています。また、他方では、地方自治体の非常勤公務員に対する賞与等の支給が、法令に違反した「お手盛り支給」だとして市民から追及される事例も発生しています。

しかし、この種の事件は、関係する法律が労働法や公務員法、国家賠償法、行政事件訴訟法など多岐にわたることもあってか、取り扱う弁護士は少なく、実務書も手薄なままでした。そこで、東京弁護士会労働法制特別委員会は、この分野の入門書と実務解説書を兼ねた「裁判例に見る『非正規公務員』の現状と課題~雇止め・処遇の問題を中心に~」を出版することといたしました。

担当したのは、公務員労働法制研究部会のベテラン、精鋭弁護士で、調査と討議に約1年6か月をかけ、構成にも工夫をこらしました。第1編第1章では、入門者向けに非正規公務員問題の背景と概要を簡潔に解説し、第2章・第3章では非正規公務員の処遇と身分保障に関する典型的な紛争について、設例をもとに基本的な考え方を示し、第2編において、最近の12の重要裁判例を題材に、解説と実務の現状、救済法理の解釈論等を述べています。

本書は、この問題について相談を受けた弁護士、国や地方自治体の人事担当者、労働組合やNPO 法人等でこの問題に取り組まれている皆さん、それからまさに『非正規公務員』という立場で国や地方自治体に勤務している皆さんの実務上の役に立ち、また、非正規公務員の現状と課題について理解が広まることを狙いとしています。

『現代の社会福祉をめぐる人権と法』

本書の特徴

人間らしく自分らしく生きていきたいという願いや想いは誰でもがもっている、一人ひとりが有する、個人として当たり前の基本的な欲求です。本来、国家や社会の枠組みや条件によって左右されたり、強弱がつけられたり、差別されたりしてはならないものです。人間は生まれながらにして自由なのです。幸福を追い求め、自己実現をめざしながら生きていっていいのです。一人ひとりにおいてその尊厳や人格が、だいじな存在なのです。これがずばり、「人権」です。

ですから、国家や社会には人間個々の「いのち、健康、暮らし」を守り、保障していくことが強く求められるのです。つまり、人権のために法律や行財政が力になれること、人権を保障し実現していくために立法、行政・財政、司法が存在し機能していく必要があるということ―こうした認識から出発することがとても大切になってきます。だからこそ『現代の社会福祉をめぐる人権と法』となるのです。

現代の社会福祉をめぐって、「いのち、健康、暮らし」の問題に"待ったなしに"直結する「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(=生存権)の領域だからこそ、今この人の人権状態がどうなっているのか、今その人の人権に何が起こっているのかという問題にこだわってその実態と課題を明らかにし、解決への方向を見出していくという姿勢を失ってはならないのです。

そこで本書では、法制度的な解説に終始することなく、人権や法の理念から現代の社会福祉の現実を照らし出し、「何が」「どうして」「どのような人権問題なのか」をみなさんと一緒に考えていきたいと考えます。

<現代の社会福祉をめぐる>といっても、その分野、扱われている対象や問題は膨大でとても1冊にはまとめきることはできません。そこで大きく7つの章に分けてみました。

1.日本国憲法と現代の社会福祉
2.生活保護をめぐる人権と法
3.子ども期の福祉をめぐる人権と法
4.障がいへの福祉をめぐる人権と法
5.高齢期の福祉をめぐる人権と法
6.女性の福祉をめぐる人権と法
7.再犯防止と社会復帰の福祉をめぐる人権と法 です。

どの章からもそれぞれ、たいへん重要な人権問題が提起されています。

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